弊社は相続に関するお手伝いをしておりますが避けて通ることのできない問題としてお墓の管理
があります。携帯電話が普及して30年余り、様々なものがデジタル化してきましたが、とうと
うお墓にもデジタル化の波が押し寄せています。パソコンやスマホの中にある「仮想空間の画
面の中にお墓を建てる」のです。
家族や親族は自分自身の「分身(アバター)」になり、画面上に登場します。そして「デジタル
のお墓」に献花します。画面を通じてメッセージを交換することで故人の思い出話を語り合うこ
ともできます(チャット)。
海外赴任者や参加が難しい遠方で暮らす人、施設に入所している人も参列することができます。
そもそも現実のお墓は、墓石の「一般墓」に対し、樹木を墓標とする「樹木葬」や屋内施設に遺
骨を保管する「納骨堂」などがあります。樹木葬・納骨堂のいずれも一般墓の半分程度の初期費
用で済み、管理費が安価なことが多いです。費用面や将来的な維持管理の負担を考えると、樹木
葬・納骨堂の先にあるのが「デジタルのお墓」です。
デジタルのお墓といっても
① 画面上にお墓を作る「単純型ネット墓」(実際のお墓は存在しません)
② 実在するお墓をネット上でお参りできる「並存型ネット墓」
(実在するお墓にカメラを付けて、墓地の様子が映し出されます。)
の2種類があるようです。
財産分けの際に「お墓の跡継ぎ問題」を考慮しておかなければ、デジタル化が進むか、無縁仏と
なってしまうでしょう。「お墓=お金がかかる、面倒、やっかい」だけで済ませず、家族でお墓
をどう維持していくか話し合う必要があります。お墓を維持していくのか、永代供養にするのか、
だれにお墓の跡継ぎをお願いするのか、そして、お墓の跡継ぎにはお金の準備をするのか、しない
のか…。
後回しにしたい内容ですが、親御さんが亡くなった後では遅く、話し合いも収拾がつきません。
被相続人のご生前にご家族でしっかり話し合っていただくことが必要ですね。