103万円の壁④~フリーランスは?

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1.103万円の壁とフリーランス
103万円の壁①~③で103万円の壁についてまとめてきました。
ここで一つ、視点を変えてみたいと思います。
実は、103万円の壁は給与収入のみの人の話です。
給与以外に収入がある人はもちろん、
そもそもフリーランスの人、配当や不動産などの収入がある人にとっての壁は103万円ではありません。

    2.103万円の壁の内訳
    103万円の壁の内訳は基礎控除48万円と給与所得控除55万円です。
    給与所得控除は、給与収入がある人は最低で年間55万円は働くために経費がかかっているとみなして計算しています。

    3.フリーランスにとっての壁
    フリーランスにとっての壁は、計算が複雑です。
    給与所得があるパートの人と同じく103万円の壁の税軽減効果を得られるのは、次のいずれかです。
    ①フリーランスとしての年収が48万円以下
    ②フリーランスとしての年収は48万円超だが、経費を差し引いた後の利益が48万円以下

    そのため、経費をほとんどかけずにネットを通じて仕事を少しだけしている方は、
    「103万以下だから大丈夫だろう」と思っていると、配偶者の納税が過少となっていたり、
    ご本人の申告漏れという状況になっている可能性が高いです。

    不動産所得などの場合も、収入から経費を除いた後の利益が48万円以下であるかどうか、となります。

    まとめ
    103万円の壁は給与所得者における壁なのですが、しばしば、事業所得や雑所得、不動産所得を得ている方からも
    103万円を超えていないから大丈夫ですよね?とご相談いただきます。
    しかし、「収入」と「所得」は意味が異なっており、紛らわしい話となっています。
    分かりやすく説明するためにはどう話したらよいか、毎度考えさせられています。
    税理士を目指されるなら、自分ならどのようにお伝えするか、ぜひ考えてみてください。

    ※具体的な事案に対して適用する場合は、顧問税理士等にご相談ください。
    この記事を参考にした結果発生した損害について、筆者及び当社は責任を負いかねますのでご理解のほどお願いいたします。
    ※2024年4月1日時点の法令等に基づいて執筆していますのでご留意ください。
    ※特定の政党を支持するものではありません。また法律の背景から検討したものであり、経済政策や財政を加味したものではありません。

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