相続登記

スキルアップ

今年の4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。
今回は、その相続登記にまつわる話しを書いていきたいと思います。
なお、制度の詳しい内容は、法務省のHPをご覧ください。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00590.html


山手線の某駅の東口から歩いて1分のところに空き地があります。
大きな駅の駅前で価値は高い場所ですが、広さは10坪くらいしかありませんので、活用方法が見当たらず、ずっと空き地になっていると思っていました。

その空き地の隣には古いビルがあったのですが、そのビルが解体され、新しいビルが建つことになりました。
私がその空き地の所有者であれば、隣のビルの所有者にその空き地を売却します。千載一遇といえるものです。
隣のビルの所有者としても、大きな駅の駅前なので、できるだけ大きな建物を建てたいと思いますから、その空き地は買い取りたいでしょう。

しかし、現実は空き地のままで、新しいビルの敷地にはなりませんでした。
それはなぜか・・・・あくまで噂話ですが、その空き地の所有者が不明だったそうです。
古いビルの所有者が買い取りたいと思い、空き地の所有者を探したのですが、見つけることができなかったそうです。

なぜ所有者不明の不動産が存在してしまうのか?
もともと不動産登記は、第三者対抗要件(自分が所有していることを第三者に主張するための要件)のためにあるとも言えるため、相続登記をするかどうかは任意だったのです。相続登記をしていなくても法的には問題がなかったためです。
しかし、相続登記がされないと真の所有者が分からず、固定資産税の納付がされない、建物が朽ち果ててお化け屋敷のようになる、空き地の有効活用ができないなど、様々な問題が生じます。
このような問題を解決するため、これまで任意だった相続登記が2024年4月1日より義務化されることになりました。

相続財産には不動産があることがほとんどですので、税理士としても不動産の登記制度についてもある程度の知識が必要で、このような登記制度の改正についても勉強していく必要があると思います。

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