為替相場と会社の業績

スキルアップ

国内で事業を行っているお客様でも、商品を海外から仕入れる・海外に商品を販売することがあります。

海外向けのECサイトもあるため、昔と比べたら、海外との取引についてのハードルは低くなっているのかもしれません。それでも、国内における取引とは勝手が異なるため、いくつかのリスクがあることは、頭の片隅に入れておく必要はあるかと思います。

その海外取引におけるリスクの1つが為替リスクです。海外取引における決済は、基本的にドル建てになります。最近の為替相場は、毎日毎日大きく動いています(荒い値動きと言ったほうが、正しいかな・・・)。

とある銀行における為替相場のレートを見たところ、

・2024年6月末 1ドル161.07円

・2024年7月末 1ドル152.44円

となっており、1ヶ月間で約8円以上の円高となっていました。

10年以上前のことですが、アパレルのお客様と定例ミーティング中、社長から「今後、為替相場はどうなりますかね?」と質問されたことがあります。

何となく円安基調だな、円高基調だな、と思うことはありますが、為替相場を読む眼を持ち合わせていませんし、テキトーなことは言えないので、「はっきり言って、分かりません」と回答しました。

為替相場は日々動いていますので、代金決済の際に為替差損益が生じるのは当たり前のことですが、為替相場が大幅に動くとその為替差損益も当然大きくなります。また、売掛金や買掛金は決算の際に為替換算をすることになりますので、同じことが想定されます。

海外取引を大きく行っている会社では、外貨預金口座を開設していることがあります。この外貨預金についても、決算の際に為替換算をすることになります。

これまた10年以上前のことですが、多額の外貨預金を保有している会社があり、決算の際為替差益が100万円単位で計上されたことがありました。もちろん、毎月のミーティングの際にその可能性が高いことを伝えていたため、その会社の社長も分かってはいましたが、

「この為替差益も法人税の課税対象だよね。商売で儲けた利益に対して法人税がかかるのは分かるけど、為替差益にも法人税がかかるのは、なんか釈然としないなあ。」

とおっしゃっていました(その気持ち、よく分かります)。

為替差益が生じると思わぬ税負担が発生しますし、為替差損が生じた場合は赤字決算になる可能性もあります。海外取引を行う場合は、こういった為替リスクがあることを覚えておいてください。

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