意外と難しい印紙税

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税理士は税法の専門家ですが、印紙税は税理士法上の税理士業務の対象となる税目から外されています(その他にも、登録免許税や関税などが外されています。)。

お客様は、税理士は当然印紙税のことも知っていると思われていますので、年に2~3回程度ですが、印紙税についての問合せがあります。この書類には印紙を貼る必要があるのかどうか、いくらの印紙を貼ればよいのか、といった問合せです。

しかし、税理士は印紙税について勉強する機会がほとんどなく、私も問合せがあった場合は「調べて折返し連絡します」とすることがあります。

印紙税の対象となる文書のことを課税文書といい、その課税文書に収入印紙を貼って消印をすることにより、印紙税を納付することになります。

5万円以上の領収証には収入印紙を貼らないといけない、ということを知っている方もいるかと思います。

この書類には印紙を貼る必要があるのかどうか、つまり課税文書に該当するかどうかの判断が意外に難しいのです。よくあるのが、契約書の内容が「請負契約」と「委任契約」のどちらに該当するのかです。請負契約の場合は課税文書に該当しますが、委任契約の場合は課税文書に該当しません。

そのため、お客様から問合せがあった場合は、その契約書のコピーを送ってもらい、それをよく読み込み、課税文書に該当するかを判断します。課税文書に該当するにもかかわらず印紙を貼り忘れた場合は過怠税が課されることになるため、正しく判断をしないといけません。

課税文書に該当しても、そこに記載された金額が少額の場合は、非課税となることがあります。先ほどの領収証を例にすると、領収証は課税文書に該当しますが、5万円未満であれば非課税とされています。

なお、高額な買い物をする場合はクレジットカードで支払いすることが多いかと思いますが、クレジットカードで支払った場合は現金受領の事実がないため、その領収証に「クレジットカードによる支払い」と記載すれば、課税文書には該当しません。

近年、いろいろなことについてデジタル化が進んでおり、契約そのものについても電子契約書で交わすケースが増えてきていますが、この電子契約書については「紙の書面」で作成されていないため、印紙税は課されません。 

上記のように、印紙税は意外と奥が深く、日常業務で接する機会が少ないためか、意外と難しいものと感じることが多いです。

なお、税理士試験の受験手数料やパスポートの申請手数料も収入印紙で支払いますが、あれは単なる国に支払う手数料であり、印紙税ではありませんので、間違えないでくださいね。

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