相続税の申告の依頼がありました。被相続人(=亡くなった方)は、賃貸用不動産をいくつか所有されており、毎年確定申告をされていましたが、弊社とは別の税理士の先生に依頼されていました。そのため、所得税の準確定申告については、その別の税理士の先生が行うことになりました。
相続税の申告だけ弊社にご依頼されるケースはいままでもあったため、今回も同じようなケースかと思っていましたが、相続人の方から今後の個人の確定申告についても依頼したいというお話しを頂きました。
前述したとおり、被相続人はいくつかの賃貸用不動産を所有されていましたので、その賃貸用不動産を引き継ぐ相続人の確定申告を行うために、被相続人の過去数年分の確定申告書をお預かりしました。
2023年分の確定申告書を見たところ、賃貸用不動産を1つ売却しており、その不動産の売却価額のうち建物部分の売却価額が1,000万円を超えていました。
つまり、2023年の課税売上高が1,000万円を超えていることから、被相続人がご存命であれば2025年は消費税の課税事業者となる(=消費税の納税義務がある)ことが分かりました。
<補足説明>
その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超える場合は、消費税の納税義務があります。個人の場合の課税期間は毎年1月1日から12月31日となり、個人の場合の基準期間は前々年となります。
2025年の基準期間である2023年の課税売上高が1,000万円を超えているため、2025年は消費税の納税義務があることになります。
被相続人がご存命であれば2025年は消費税の納税義務があったのですが、お亡くなりになったため、事業を引き継ぐ相続人(今回の場合は、不動産賃貸業を引き継ぐ相続人)が消費税の納税義務も引き継ぐことになります。しかし、遺産は未分割なので、事業を引き継ぐ人も決まっていません。
このような場合は、どのように判定すればよいと思いますか?
(後半に続く)
関連記事:相続と消費税<後半>