未来会計とは、お客様がお考えの未来像と現在の差を確認し、未来像に到達するための課題を抽出することです。ここではわかりやすい例をもとに、そんな「未来会計」と普通の会計の違いについてご説明いたします。
未来会計の考え方
会計には考え方が2種類あります。
未来会計と過去会計です。
過去会計は、会計事務所が通常お客様に提供しているサービスを想像してもらえればと思います。税務署に提出するのは過去会計。
例えば弊社では、試算表を作成した上で、必要な情報を分析・報告します。財務分析をして財務上の課題を抽出します。
過去の情報を元に解決すべき課題を抽出することが過去会計です。
それに対し、未来会計は、お客様がお考えの未来像と現在の差を確認し、未来像に到達するための課題を抽出することです。
少し想像のお時間とします。
会計事務所から、今まで通り、試算表が渡されます。節税対策をします。納付をします。決算書が渡されます。財務分析の報告を聞きます。自社の課題が何か、会計事務所から離されます。
さて、お客様が想像された課題はどのような課題でしょうか?
原価率が悪い。同業他社と比べて棚卸が多い。資金繰りが悪い。自己資本比率を上げましょう。
こういった、数字の話ではないでしょうか。
お客様は、この数字の話から一歩踏み込んだ話をしたいのではないでしょうか。
売上をあげるには?
資金繰りを良くするには?
従業員が動くようになるには?
そのような話ではないでしょうか?
それでは、具体的に何をやるのか?
弊社では
①中期経営計画の策定のお手伝い
②単年度行動計画の策定のお手伝い
③課題抽出のお手伝い
④資金繰り改善のお手伝い
もう少し想像して頂きます。
売上高の目標数値を設定していますが、中々売上高が到達しません。
毎月毎月、従業員の売上目標が不足しています。
売上高に対して、ある程度のインセンティブをつけているが全然従業員が動かない、とお悩みです。
未来会計コンサルタントとの打合せ。
会計事務所「ちなみに、どのように指示や教育をされていますか?」
社長「そんなの、普通のことですよ。売上を上げられるように考えなさい、と」
会計事務所「なるほど。売上を上げるために考えて行動しなさい、ということですね」
社長「言ってはいるが、全然考えないんだよ。中にはサボっている子もいる。頑張っている子には給与を出しているのだが」
会計事務所「社長としては、話は何度もしているが、全く響かない、と」
社長「そうなんだよ。計画とか目標とか立てても、結局、絵に描いた餅なんだよね」
会計事務所「計画をたてても、中々その通りにいかず、難しいですよね」
会計事務所「ところで社長。。。○○は、どのようになっていますか?」
~~~~~社長と会計事務所の打合せが盛り上がり。。。。
社長「課題が明確になった!これなら従業員も動けるだろう。
2月末日までの月次決算報告書を使った、3月2週目の打合せ。
経営計画では、2月の売上高の目標は1,000万円です。
社長が想定している原価率より悪い集計結果になりました。
しかし、商品の仕入単価は昨年と変化ありません。為替の影響もありません。
価格の値付けも昨年と同じルールで設定したはず、と社長は思い当たることがありませんでした。
原価率が悪かった原因は何でしょうか。
会計事務所が質問をします。
商品の平均単価はどうなっていますか?
結論は、営業が売上目標を達成するために値引きをしてでも販売していた、でした。
社長はお悩みになります。
「売上高は達成されたが、利益は昨年の半分だ。。」
会計事務所と話をしていくにつれ、ある部分に、社長は着目されます。
「売上高の目標そのものをやめればいい!売上高を目標にしているから、値下げしてでも売ろうと思うんだ!」
「給与設定を変えよう。売上高に対する歩合給ではなく、利益額に対する歩合給にしよう」
結果、経営計画の数字に到達はしないものの、原価率は改善され、当初の資金繰りがよくなりました。